産業廃棄物収集運搬のQ&A集

 

Q1.どんな場合に「産業廃棄物収集運搬業の許可」が必要なんですか?

 

 

産業廃棄物の収集・運搬を排出業者から委託されて処理場等まで運搬する場合に許可が必要になります。排出業者が自ら産業廃棄物を処理場等まで運搬する場合には許可は必要ありません!


 

Q2.産業廃棄物とはどんなものをいうのですか?

 

 

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物であって、産業廃棄物法で規定された20種類の廃棄物のことです。一般家庭の日常生活で出る廃棄物(家庭廃棄物)や事業活動で出る20種類の産業廃棄物以外の廃棄物(事業系一般廃棄物)は一般廃棄物と言われて産業廃棄物ではありません!

※産業廃棄物20種類は「産業廃棄物とは」をご覧ください、詳しく書いてありますよ!


 

Q3.事業活動から出る20種類の産業廃棄物の収集・運搬の仕事を受けるのであれば必ず産業廃棄物収集運搬業の許可が必要なんですか?、いくつかの産業廃棄物は排出業者が決められているような話を聞いたことがあるのですが…?

 

 

 

その通りです!

産業廃棄物20種類の内7種類、@紙くず、A木くず、B繊維くず、C動植物性残さ、D動物系固形不要物、E動物のふん尿、F動物の死体については、特定の事業から排出された場合のみ産業廃棄物の扱いになります。特定の事業以外から出た場合は事業系の一般廃棄物になります。
※特定の事業は下記表の通りです!


産業廃棄物の種類 特定事業
@紙くず

@建設工事(工作物の新築、改装又は除去)に伴って発生した壁紙・障子など
Aパルプ・紙又は紙加工品の製造業・新聞業・出版業・製本業・印刷物加工業から発生したもの

A木くず

@建設工事(工作物の新築、改装又は除去)に伴って発生した柱など
A木材又は木製品製造業・パルプ製造業・輸入木材卸売業から発生したもの
B物品賃貸業に係る家具など

B繊維くず

@建設工事(工作物の新築、改装又は除去)に伴って発生した絨毯、カーテンなど
A繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除くから発生したもの

C動植物性残さ 食品製造業(たばこ製造業を除く)・医療品製造業・香料製造業で原料として使用された動物性又は植物性の固形状の不要物(発酵かす、パンくず、おから、コーヒーくずなどの原料かすなど)
D動物系固形不要物

と畜場で処理された獣畜、食鳥処理場で処理した食鳥など
※と畜場…牛や豚・馬などを屠殺(殺して)して解体し、食肉に加工する施設のこと

E動物のふん尿 畜産農業を営む過程で発生した動物のふん尿
F動物の死体 畜産農業を営む過程で発生した動物の死体

 

Q4.「ゴムくず」、「廃プラスチック類」、「繊維くず」の違いは?、廃タイヤはゴムくず?、それとも廃プラスチック類?

 

 

産業廃棄物の種類は廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)で定められています。

「ゴムくず」とは、天然ゴムのくずのことです廃タイヤなどの合成ゴムは「廃プラスチック類」に分類されます。
また、「繊維くず」は天然繊維のくずのことです合成繊維のくずはこれも「廃プラスチック類」に分類されます。


 

Q5.「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」と「がれき類」の違いはなに?

 

 

解体工事や道路工事など、建設業に係るコンクリートくずは「がれき類」に該当しますね、それ以外のコンクリートくず(コンクリート製品の製造工場の破損製品など)は「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」になります。

 

Q6.産業廃棄物収集運搬業の許可を取ろうと思っています、産業廃棄物を収集する排出業者は「東京と神奈川」にあります、そこで産業廃棄物を収集をして、埼玉を通って「栃木」にある処理業者まで運搬する予定です。どこの許可を取ったらいいの?

 

 

産業廃棄物収集運搬業の許可は、産業廃棄物を収集する場所と、産業廃棄物を降ろす処理場等のある場所を管轄している都道府県の許可を足らなければなりません、ご質問者の場合は、収取場所である「東京都と神奈川県」の許可と、処理場のある「栃木県」の許可、計3都県の許可を取らなければなりません、運搬の際に通過する埼玉県の許可は必要ありません!

Q7.特別管理産業廃棄物処理業の講習会の修了証を持っていますが、この修了証で一般の産業廃棄物収集運搬業の許可は取れますか?

 

 

大丈夫ですよ!一般廃棄物収集運搬業の許可を取るために必要な講習会は下記の表の通りです。ただし、新規申請の場合は、申請日において5年以内に受講した新規の講習の修了証が必要です。更新の場合は、5年以内の新規の講習、或いは2年以内に受講した更新の修了証で大丈夫です。講習会を受けるには「公益財団法人日本産廃振興センター」のホームページを見れば確認できます、今はコロナの影響で講習はパソコンで講義を視聴して、試験だけを会場で行っているようです。講習の費用期間等も下記に書いて置きます、参考にしてくださいね!

@講習会と一般産業廃棄物収集運搬業許可の新規・更新の関係

産業廃棄物処理業講習会
(収集運搬課程)

特別管理産業廃棄物処理業講習会
(収集運搬課程)

新規 更新 新規 更新
新規許可申請 × ×
更新許可申請

A講習会の受講料と講習期間

講習の種類(新規) 受講料 期間
産業廃棄物の収集運搬課程 31,000円 2日間
特別管理産業廃棄物の収集運搬課程 47,100円 3日間

※更新の講習は、いずれも受講料20,400円で1日です!

 

Q8.講習はどこの場所で受講しても大丈夫なんですか?

 

 

大丈夫ですよ!「産業廃棄物処理業の講習会(収集運搬課程)」は全国どこで受講したものでも「修了証」があれば大丈夫です。なかなか自分の住んでいる近くの講習会が受講できないで遠くまで受けに行っている人もいるみたいです。

 

Q9.扱う産業廃棄物の種類を増やしたいのですが、ちょうど更新があるのでその時に扱い品目を追加すれば大丈夫ですか?

 

 

 

許可を更新する「更新許可申請」と、扱い品目を増やす「変更許可申請」はまるっきり別の申請になります。変更許可申請は手数料が71,000円かかります。したがって質問の場合、更新許可申請と変更許可申請をしなければなりません、手数料は更新許可申請で73,000円(東京都の場合は42,000円)、変更許可申請で71,000円、計144,000円かかることになります。やはり最初の事業計画が大切です、事業計画をよくわかっている行政書士に相談して許可をとる方が最終的には節約なることが多いみたいですよ!

 

Q10.更新の許可申請中です、更新の申請が遅くなってしまって更新許可証が有効期限までに来なかったら許可は取消されてしまうのですか?、収集運搬の仕事もできないのですか?

 

 

有効期限内に許可申請を行っているのであれば、従来持っている許可の期限までに更新申請に対する処分、つまり許可・不許可の処分がないときは、今まで持っている許可が更新申請の処分がでるまでの間有効に使用することができます。つまり、質問者が有効期限内に更新申請を行っていたならば、更新許可の処分が出るまでの間は従来持っている許可が有効です、今持っている許可の範囲内でお仕事をすることはできます!