産業廃棄物収集運搬業許可の廃棄物処理法における罰則と行政処分

産業廃棄物収集運搬業許可は、廃棄物処理法、正式には廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのですが、この法律で違反に関して厳しい罰則が定められています。
今回は、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管を除く)に関わる罰則を取上げます。読んでこのような違反を起こさないようにしてください。
繰り返しますが、産業廃棄物収集運搬業の違反は、とても重いものです、注意してください

 

1.5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金またはこの併科(懲役・罰金の両方の罰則)
廃棄物処理法第25条第1項で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号 無許可営業 許可を受けずに、産業廃棄物の収集・運搬又は処分を業として行ったとき
第2号 営業許可の不正取得 不正の手段により、産業廃棄物の収集運搬業、処分業の許可(更新を含む)を受けたとき
第3号 事業範囲の無許可変更 産業廃棄物収集運搬業者・処分業者が、許可を受けずに事業の範囲の変更したとき
第4号

事業拡大の変更許可
の不正取得

産業廃棄物収集運搬業者・処分業者が、不正の手段により、事業の範囲の変更許可を受けたとき
第5号 事業停止命令違反 法又は法に基づく処分に違反した産業廃棄物運搬業者・処分業者が、事業停止命令に違反したとき
第6号 委託基準違反 排出事業者(中間処理業者含む)が、産業廃棄物の運搬又は処分を産業廃棄物収集運搬業者。処分業者その他環境省令で定める者以外に委託したとき
第7号 名義貸しの禁止違反 産業廃棄物収集運搬業者・処分業者が、自己名義で他人に収集・運搬又は処分を行わせたとき
第8号 処理施設の無許可設置 許可を受けずに、産業廃棄物処理施設の設置したとき
第9号

処理施設の設置許可の
不正取得

不正の手段により、産業廃棄物処理施設の設置の許可を受けたとき
第10号 処理施設の無許可変更 許可を受けずに、産業廃棄物処理施設の変更(軽微変更を除く)をしたとき
第11号

処理施設の変更許可の
不正取得

不正の手段により、産業廃棄物処理施設の変更(軽微変更を除く)の許可を受けたとき
第13号 処理業の受託禁止違反 産業廃棄物収集運搬業者・処分業者その他環境省令で定める者以外が、他人の産業廃棄物の収集・運搬又は処分を受託したとき
第14号 廃棄物の不法投棄

廃棄物をみだらに投棄したとき
(廃棄物の投棄禁止違反は、未遂でも罰せられます)

第15号 廃棄物の焼却禁止違反

廃棄物を違法に焼却したとき
(廃棄物の焼却禁止違反も、未遂で罰せらせます)

第16号 指定有害廃棄物保管・処分違反

指定有害廃棄物の保管・収集・運搬又は処分を行ったとき、ただし、次にあげる場合は除く
・指定有害廃棄物の保管・収集・運搬及び主文に関する基準に従って行う保管・収集・運搬又は処分
・廃棄物処理法以外の法令又はこれに基づく処分により行う保管・収集・運搬又は処分

2.3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはこの併科
廃棄物処理法第26条で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号

委託基準違反
再委託禁止違反

・搬出事業者(中間処理業者を含む)が、産業廃棄物の処理の基準に違反して、産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託したとき
・産業廃棄物集運搬業者・処分業者が、産業廃棄物の処理の再委託の基準に違反して、産業廃棄物の収集・運搬又は処分を他人に再委託したとき

第2号 改善命令違反 改善命令に従わなかったとき
措置命令違反 許可を失った処理業者等が、生活環境保全上の支障の除去等のために出された措置命令に違反したとき
第3号 施設無許可譲受け・無許可借受け 許可施設である一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設を無許可で譲り受け、又は借り受けたとき
第6号 不法投棄又は不法償却を目的とする収集又は運搬 廃棄物の不法投棄又は不法焼却を行う目的で、廃棄物の収集又は運搬をしたとき

ここまでは、懲役と罰金が併科されることがあります、厳しく重い罰則です。
3.1年以下の懲役または100万円以下の罰金
廃棄物処理法第27条の2で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号 排出管理票交付義務違反、記載義務違反、虚偽記載

排出業者(中間処理業者を含む)等が、産業廃棄物の運搬または処分を他人に委託する場合に、当該産業廃棄物を引き渡す際に、つぎのいずれかに該当したとき
・運搬受託者(処分のみの受託の場合には、処分受託者)に、管理票を交付しなかったとき
・運搬受託者(処分のみの委託の場合には、処分受託者)に、記載すべき事項を記載せずに、管理票を交付したとき
・運搬受託者(処分のみの委託の場合は、処分受託者)に、虚偽の記載をして、管理票を交付したとき

第2号 運搬受託者管理票写し送付義務違反、記載義務違反、虚偽記載

運搬受託者が、当該産業廃棄物の運搬を終了した際に、次のいずれかに該当したとき
・管理交付者に、管理票の写しを10日以内に送付しなかったとき
・管理票交付者に、記載すべき事項を記載せずに、管理票の写しを送付したとき
・管理票交付者に、虚偽の記載をして、管理票の写しを送付したとき

第3号 運搬受託者管理票回付義務違反 運搬受託者が、当該産業廃棄物の処分受託者に、管理票を回付しなかったとき
第5号 管理票保存義務違反 運搬受託者が、管理票交付者に管理票の写しを送付した場合において当該管理票を、処分受託者から管理票の写しの送付を受けた場合においては当該管理票の写しを、それぞれ5年間保存しなかったとき
第6号 虚偽管理票交付 産業廃棄物の運搬又は処分を受託していないにもかかわらず、虚偽の記載をして、管理票を交付したとき
第7号 管理票未交付による産業廃棄物の引渡し 運搬受託者又は処分受託者が、管理票の交付を受けていないにもかかわらず、産業廃棄物の引渡しを受けたとき
第8号 虚偽管理表送付 運搬受託者又は処分受託者が、受託した産業廃棄物の運搬又は処分が終了していないにもかかわらず、管理交付者に管理票の写しを送付し、又は電子情報処理組織を利用して情報処理センターに当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨の報告をしたとき
第10号 電子管理票報告義務違反、虚偽報告 運搬受託者又は処分受託者が、産業廃棄物の運搬又は処理を終了した際に、電子情報処理組織を利用して、3日以内に、情報処理センターにその旨の報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき

4.6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
廃棄物処理法第29条で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号 欠格要件該当、届出違反、事業場外保管届出違反 欠格事項に該当するに至った場合において、その旨を届出をしなかったとき
第2号 施設使用前検査受検義務違反 施設使用前検査を受けずに、産業廃棄物処理施設を利用したとき
第4号 処理困難通知義務違反、虚偽通知 運搬受託者及び処分受託者が、受託した産業廃棄物の処理が困難となった場合において、通知せず、又は虚偽の通知をしたとき
第5号 処理困難通知写し保存義務違反 運搬受託者又は処分受託者が、処理困難通知をした場合において、当該通知の写しを保存しなかったとき

5.30万円以下の罰金
廃棄物処理法第30条で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号 帳簿備付け義務違反、記載義務違反、保存義務違反 廃棄物の処理に関して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は5年間保存しなかったとき
第2号 業廃止・変更届出義務違反 事業の廃止、変更の届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき
第6号 有害使用済機器保管等届出義務違反 有害使用済機器保管業者が、届出をせず、又は虚偽の届出をして有害使用済機器の保管又は処分を業をして行ったとき
第7号 報告拒否、虚偽報告 行政庁から必要な報告を求められたときに、これを拒否し、又は虚偽の報告を行ったとき
第8号 立入検査拒否、妨害、忌避 行政庁の職員が行う立入検査等に対し、これを拒否し、妨害し、又は忌避したとき

6.20万円以下の罰金
廃棄物処理法第33条で定められています、下記の通りです。

内容 行為
第1号 非常災害時、事業場外保管届出義務違反 排出事業者が、届出をせず、又は虚偽の届出により、産業廃棄物の事業場外保管をしたとき
第2号 処理計画届出義務違反 産業廃棄物の多量排出業者が、処理計画を提出せず、又は虚偽の記載をして提出したとき
第3号 処理状況報告義務違反 産業廃棄物の多量排出業者が、計画の実施の処理状況を報告せず、又は虚偽の報告をしたとき

雇い主である法人又は人に係る罰則(当該法人等及び行為者の双方を罰する)

廃棄物処理法第32条で定められています、下記の通りです。

内容 罰則に係る行為者 行為の内容 罰則内容
法人に係る両罰規定 法人の代表者、代理人、使用人その他従業員 法人の業務に関し、第25条第1項第1号から第4号まで、第12号、第14号若しくは第15号又は第2項に該当する違反行為をしたとき 3億円以下の罰金
法人の業務に関し、第25条第1項(第1号から第4号まで、第12号、第14号及び第15号を除く)、第26条、第27条、第27条の2、第28条第2号、第29条又は第30条に該当する違反行為をしたとき それぞれの規定で定める罰金
人に係る両罰規定 人の代理人、使用人その他の従業員 人の業務に関し、第25条、第26条、第27条、第27条の2、第28条第2号、第29条又は第30条に該当する違反をしたとき それぞれの規定で定める罰金

上記は、雇い主および行為者の双方に罰則がかかる「両罰規定」という、とても厳しい罰則です

条項の詳細は「廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)」をご覧ください

違反行為に伴う『行政処分』

廃棄物処理法に違反すると、懲役・罰金の他に『行政処分』が科せられます。
最悪の場合は、『産業廃棄物収集運搬業の許可の取消し』になってしまいます、その他に事業の停止(10日〜90日)等の行政処分があります。
せっかく手にしたあなたの武器である『産業廃棄物収集運搬業許可』を違反などで無くしてしまうのは本当に残念なことです。
その様なことにならないようにしてくださいね!
下記に『産業廃棄物収集運搬業許可取消し』に該当する違反を列挙しておきます、見ておいててください!
●廃棄物処理法第14条の3の2で定められています。
・無許可営業
・不正手段による許可取得
・無許可の事業範囲の変更
・不正手段による事業範囲変更の許可取得
・事業停止命令違反、措置命令違反
・委託基準の違反
・名義貸しの禁止違反
・産業廃棄物受託禁止違反
・不法投棄
・不法焼却
・指定有害廃棄物の処理禁止違反

・停止命令された期間を終了した後も、命令となった原因の違反を継続している等々です。
『許可取消し』の条文の詳細は「廃棄物処理法第14条の3の2」をご覧ください

苦労して取得した『産業廃棄物収集運搬業許可』を大事に、そして有効に使ってください!

 

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